大野義光 大野丁子

 

義光精鍛作之 彫物同作 平成三年春吉祥日

脇指 / 47.3 cm 反り:0.90 cm 重ね:0.80 cm
大野義光重花丁子の世界(林原美術館)所載品・No.10

体配

平造、庵棟、中心は生で孔一つ。鑢目は勝手下がり。表に梵字、素剣を掻き流し、裏に梵字、腰樋を掻き流し。

 

地肌

小板目よく詰んで無地風の杢目肌となり精美。

 

刃文

焼始めは直調の静かな五の目乱、その上から腰の開いた五の目乱が所々連なり、頭が丸い箱風に湾れて先の方はすこし細かになる。焼幅は広く、匂口は匂出来でふんわりと深く丁子乱風の足がさかんに所作し、元あたりに小さめの飛焼入る。刃文に沿って移が鮮明に表れる。

 

鋩子

刃文がそのまま乱込み尖りごころに浅く返り、表裏揃う。

 

備考

本刀は大野義光重花丁字の世界(林原美術館)所載品・No.10。同じく掲載されているNo.14の脇指(義光彫同作 平成三年秋吉祥日)と同じ時期に作られた一振で、長さや刃文は異なりますが一連の作かも知れません。体配、彫のテーマと配置、造込など、まるで姉妹品のようです。片や「秋吉祥日」、こちらは「春吉祥日」ですから姉にあたるということでいかがでしょう。
しかし、何度見ても彫と体配とのバランスは大野刀匠のセンスが光ります。身幅、反、フクラ・・・総体としての姿は、それ自体を評価すべきで、強いて言えばこの姿が重要で、そこへ大野刀匠独自の刃文が入り、それらを考慮した構図で彫が刻まれ、品よく華やかで美しい刀姿となって、誰もが頷く作品へとなっていくのでしょう。特にこの作品は、大野刀匠の見処がふんだんに詰まった一振で、姿・鍛え・込・刃文・匂口・移・そして彫など・・・見る人の目を様々な視点から楽しませてくれます。これはもう、本作を作った思いや当時のことを大野刀匠から聞くしかありませんね。必ず聞いてきますから、しばらくの間お待ちください。場合によっては、この紹介文自体が変更されることもあるかもしれません。あしからず・・・。

 

大野刀匠コメント

南北朝時代の平造り寸延び短刀をそのまま延したような姿の脇指であります。(大野義光重花丁字の世界より抜粋)

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